ヨッピーの文を読んできた人こそ楽しめる「明日クビになっても大丈夫!」

補足:はてブのコメントに、「『印税は全て読者に還元する』というヨッピーのコメントにぞっとした」というものがあったが、その発言の背景も書かれていたので、気になる方は買うか借りよう。

 

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千葉市長とのシムシティ対戦、PC Depotの 高額サービス料請求の実録、止まない銭湯への愛などバズった記事は数知れず、ネット好きな人ならご存じヨッピーさんの本である。

 

ネットユーザに愛されるあまり「紙媒体でこんな言い尽くされたこと書いてくれるな」と批判も受けているこの本であるが、一読すると「いやいやそんなこともないぞ」とわかってくる。

 

ヨッピーの普段見せない面

 

読了後頭に残ったのは、ヨッピーが綴った彼の営業方針だった。それらはウェブで語られていなかった部分が多数見受けられる。

 

いわゆる「どうしたらバズる記事を書けるか」というものはネットにもあるが、

ライター業界での賢い儲け方、ヨッピー流「ライターとしてどうサバイブしてき」たか。パブリックイメージ的には「汚いオヤジ」を演じている作者が、どんなことを考えて仕事しているかが記されている。

 

これは・・・あれだ。別に副業に興味ない人にも参考になる類の本でないかな。ちきりん氏の「マーケット感覚を身につけよう」にも通じる、「こんな時代だから賢く立ち回る」ためのコツがふんだんに詰まっている。

 

 

すさまじいバランス感覚、地頭の良さ

 

読めばわかる。サラリーマン入社後の研修でも「優秀な人材」とマークされ、大手企業ならではの「古い慣習」を目にして「無駄が多い」と新卒の時から俯瞰の目で考えていた作者だからこそ、ここで語られている処世術を考え実践してきたのだろう。

 

ライターと言っても、企画、営業、交渉、自己プロデュース、すべて一人でやっている。なかなか一人でできないことだろう。特に本書で強調されている「戦略」の部分、未来のことを見据えて行動する重要さ。

 

サラリーマンをしていると、言われたことを忠実に実行し、その一歩二歩先をいけばそこそこ優秀とされるものだと思う(それすら一部の人間にしかできない)が、道を外れる覚悟を持って常識は捨て、ゼロベースで自分の頭で考え正しいと思った行動を一つ一つ積み上げる。状況に合わせて軌道修正していく。それを一人で上手にやりきるのって・・・天才か?天才なのだろう。

 

でも希望がある

 

ただこの天才でもすぐにフリーランスとして成功したわけではない。3年かかって年収400万。なるほど、地道な作業は必要だ。特に感じたのは、休みなしでサラリーマンとライターの二足のわらじで走っていた時代の大変さ。土日の休みを無償の記事に捧げるその情熱。ある程度のムリ、無茶なことをや必要なのだ。

 

将来の楽しい自分の人生のために走るスピードを上げていけるか、倒れない程度に自分を守りながら日々成し遂げる、それが必要なのかと思った。

それと戦略。時代を先読みすること。これは銭湯で交互浴しながら考えるとはかどりそうだ。